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光電池 / 太陽電池の引剥がし試験

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光電池 / 太陽電池の引剥がし試験

IEC 61646 | IEC 61215

課題

地球規模でグリーン・エネルギーに注目が集まる中で、色々な用途に対する、高効率で低コストの太陽電池の開発が盛んに行われています。メーカーにおいては、太陽電池(PV)の製造で用いられる、薄膜フィルムおよび基板の機械的性質を評価する機械的試験が必要になっています。世界の規制団体である、国際電気標準会議International Electrotechnical commission (IEC)が、IEC 61646「地上型薄膜フィルム太陽電池モジュール-設計認定と型式承認」およびIEC-61215「地上型シリコン結晶太陽電池モジュール-設計認定と型式承認」等の規格を発行しています。これらの規格は、130km/hの風圧に耐える等、外的条件を再現するPVの機械的試験に焦点を当てています。

インストロンのソリューション

上記のような課題に対して、スタックとして知られる、多層薄膜フィルムに関する、90度接合引剥がし試験が推奨されます。この試験により、層間の接合品質を確認できます。層間における電気的結合を、高い信頼性で確保できる接合強度を推定するのに必要な、引剥がし強度を計算できます。インストロンの6800 および3400シリーズシステムは、90度引剥がし試験用途に適しています。さらに、Bluehill® Universalソフトウェアを使用することで、試験方法をセットアップし、試験後に結果を収集することができます。90 度引き剥がし治具 は、摩擦のない設計になっており、試験されるフィルムと接着剤に関する、正確な応力測定結果を得ることができます。角度可変引き剥がし治具 を使用すれば、PVモジュールについて、例えば45度や30度等の、90度以外の引剥がし試験を行うことができます。

重ねせん断試験

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重ねせん断試験

課題

有機発光ダイオード(OLED)は、平面ディスプレイ分野における次世代技術であり、従来のLEDディスプレイに比較して、優れた明るさや、高いコントラスト比、低消費電力、薄パネル化等の利点を持っています。その結果、現在、OLED技術は、スマートフォンやタブレット、テレビ、ウェアラブル・デバイス等の、多くの消費者電子デバイスに導入されているので、OLEDに対する機械的試験の研究が、極めて重要になっています。

OLEDパネルは、湿気や酸素の影響を強く受けるので、その寿命の把握は、信頼性の観点で最重要な課題の1つです。非常に反応性の高い陰極は、湿気や酸素により簡単に腐食するので、有機材料が水分に曝されると発光機能は消滅します。効果的な保護手法により、酸化を防止し、水蒸気と酸素の浸透を阻止することが不可欠です。周囲部分の封止として、紫外線硬化されたエポキシを用いることが、1つの解決策です。他の手法としては、ガラスやPET基板とOLEDを、接着剤の薄膜フィルムにより接合した多層構造とする方法があります。

インストロンのソリューション

OLEDディスプレイパネルの課題に対する対処法として、界面強度を測定し接着強度を評価する、シンプルな機械試験方法である引剝がし試験が推奨されます。インストロンでは 接着剤剥離治具が用意されており、その中のオプションとして、90 度引剥がし治具角度可変引剥がし治具があります。OLEDディスプレイパネルに対しては、しばしば、90度引剥がし冶具が、引剥がし強度の測定に用いられます。更に、小型90度引剥がし治具小型角度可変引剥がし治具を、より薄いフィルムやテープの引剥がしに対して用いることができます。空気圧式グリップを、引剥がしの前に試験片を保持するのに用いることを推奨します。薄膜フィルムの場合、マイクロ空気圧式グリップまたはグリップ面がゴム被覆されているグリップを用いることができます。

インストロンの6800 シリーズおよび3400 シリーズ システムが、引剝がし試験には適しています。Bluehill® Universalソフトウェアにより、引剝がし長さや引剝がし速度等の、荷重測定のための試験パラメータを設定することができます。

コネクタのピン引き抜き試験

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コネクタのピン引き抜き試験

課題

リードフレームまたはリードは、複数の機能システムを電気的に結合する、ケーブル・コネクタ・パッケージの主要部品です。リードにおける機械的損傷は、システム障害のリスクに至る可能性を高くします。従って、ケーブル・コネクタ内に組み込まれているリードの、機械的信頼性および均質性を調べることは大変重要です。一般的に、リードは、高強度のパッケージ接着剤によって、コネクタ内で接合されており、機械的強度の評価は、組立プロセスにおいて重要な要素になります。更に、リードのデザインは、様々な機能を果たすコネクタによって変化します。例えば、充電ポートのコネクタは、高電力システムに用いられる標準的な16ピンのソケット・コネクタと比べて、著しく異なったデザインを持つマイクロ・リードフレームになっています。また、両方とも、単一のリードフレームを持つ、同軸ケーブル用コネクタとも異なります。

インストロンのソリューション

コネクタのピンやリードの引き抜き試験を実施するにあたり、XY方向の移動ステージと組み合わせた、インストロンの 6800 シリーズシステムを推奨します。マイクロ空気圧式グリップを用いることにより、引き抜き開始前に、ピンを寸法に合わせて定位置で保持することができます。また、クランプ・ステージが用意され、引き抜き開始前に、試験片を定位置に押し下げます。正確な試験結果を得る上で重要なこととして、XY移動ステージにより、個々のリードを正確な位置にセットすることができます。Bluehill® Universal ソフトウェアにより、全過程を自動的に行う試験方法をセットアップし、引抜強度等の主要な結果を収集することができます。更に、試験中の破断のビデオ観察ができる、TestCam(試験用ビデオ装置)等の機能も用意されています。

ケーブルとワイヤの引張試験

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ケーブルとワイヤの引張試験

課題

電気ケーブルとワイヤは、どのエレクトロニクス・システムにおいても、基本的な部品です。ヘッドフォンや充電ケーブル等のワイヤ状の付属部品は、デバイスおよびユーザーにとって不可欠な部品です。今日の自動車組立において、とりわけ電気自動車では、電気ワイヤやケーブルのハーネス部品が何十倍にも増加しており、電力やエンジンの運転制御信号、自己診断機能、ダッシュボード制御等々のネットワークに利用されています。その結果、OEM企業にとって、様々な使用条件におけるケーブルとワイヤの信頼性を把握することが、ますます重要になっています。これら部品の損傷は、最終製品の損傷リスクを増大し、特に自動車においては危険をもたらすことになります。また、ケーブルハーネスとワイヤの組立過程では、取り扱いやパッケージングを通じて、損傷のリスクが発生します。環境的な効果も、ケーブルの絶縁に影響を与え、銅製リードを露出させたり、機能障害を起こすこともあります。

インストロンのソリューション

このような課題に対応するにあたり、引張試験は、ケーブルとワイヤの信頼性解析に関して推奨できる機械的試験の1つです。インストロンは、様々な寸法のケーブルをクランプまたは保持するように設計された、広範なグリップを用意しています。一般的には、空気圧式グリップが、ワイヤとハーネスを保持するのに推奨されます。更に、恒温槽が用意されており、インストロンのシステムおよびBluehill@ Universalソフトウェアと組み合わせて使用できます。予加熱や予冷却等の機能があり、使用条件を再現した試験が可能です。 伸び計を用いることにより、ひずみとヤング率の測定が可能になります。Bluehill® Universal ソフトウェアによって得られる引張強度の結果は、ケーブルの破断強度データを明示してくれます。インストロンのカスタムソリューショングループ は、試験片の制約や要求に対応して、専用の治具や付属品を開発することができます。